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鈴木麻也

ブログについて

ニューヨークは、アメリカのみならず南米、アフリカ、アジアなど様々な地域から人が集まる場所。医学はもちろん、文化、国際事情、医療システムなど、日本にいた時には全く知らなかった現実を目の当たりにしています。この経験を通して考えたことを発信していきたいと思います。

鈴木麻也

函館生まれ横浜育ちのどさんこ、はまっこ。日本医科大学ボート部卒業後、広い世界に憧れ留学を目指す。2008年に医学部も卒業し、同大学病院での初期研修後、2010年からニューヨークのハーレム病院で小児科研修中。2013年からメモリアルスローンケタリングがんセンターで小児がんフェローシップを開始予定。

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前回の続きです。

3. KAPLAN Q bank step1:医学部5年生9月〜2月

2学期が始まると同時にQ bank合宿生活が始まりました。というのも、実家から大学までの通学に片道2時間かかったため、往復で4時間。今ならi phoneを使って電車の中でもオンライン問題集を解くことができると思いますが、まだスマートフォンが普及していなかった5年前には、その選択肢はありませんでした。平日は、親切な同級生の部屋に泊めさせてもらい、朝5時から病院実習開始まで、病院実習が終わってから夜0時まで大学で勉強。月曜日はスーツケースに1週間分の荷物を詰めて実家から登校。初めのうちはクラスメートから「旅行?」と聞かれていましたが、1ヶ月もすると、ガラガラとスーツケースを引っ張る姿が定着しました。

Q bankはUSMLEのためのオンライン問題集です。現在はUSMLE WORLDを使う人が多いようですが、私が受験した時はQ bankが主流でした。Q bankとUSMLE WORLDの両方を解いている人もいました。

Q bankには約2200問の問題が載っています。実際の試験と同様に50問を1時間の中で解くようにしましたが、初めは時間内に全問解き終えることができませんでした。知らない知識が更に出てきて、FIRST AID step1に書き込みながら、1日50問を解くのがやっとでした。

当初は、医学部5年生の12月に受験を予定しており、それまでの4ヶ月間にQ bankの全問題を2回繰り返しました。1回目は一通り解き、2回目は1回目に正答率が低かった科目から順に科目ごとに解きました。苦手分野を集中的に解くことで知識を体系的に理解することができるからです。受験を1週間後に控えたQ bank合宿4カ月目、ECFMGのサンプルテストを解きました。結果は80%。本番の点数をよく反映すると言われるサンプルテストでは90%を超えないと、試験は受けない方が良いと言われています。真夜中の大学で、先輩や一緒に勉強していた同級生と話し合い、泣く泣く受験延長を決めました。1日外出して気分転換をし、勉強再開。それからの2ヵ月は、3回目のQ bankで今までに間違えた問題を解き、FIRST AID step1のどこに何が書いてあるのかわかる位まで覚えるようにしました。

 

4. USMLE step1受験:医学部5年生2月

遂にUSMLE step1受験本番。茅場町のテストセンターは静かで試験に集中することができました。試験開始の時は緊張しましたが、始まった後は集中力を継続して問題を解くのみ。Step1は1ブロック50問(1時間)×7ブロック。60分間の休憩時間を好きなように組み入れることができます。最初の2ブロックは連続で解き、5分休憩後に3ブロック。15分の昼食休憩の後、後半戦4ブロック目。10分休憩後に5ブロック。その後はそれぞれ15分休憩を入れました。そして試験終了。わからない問題でも立ち止まって考える時間は無いため、直感で解答し、手応えは全くわかりませんでした。しかし、できる限りの努力をした上での受験だったので清々しい気持ちで終えることができました。

 

前回も述べたように、step1がUSMLEの中で一番大変です。これさえ乗り越えれば、step2CKはstep1と重複している部分も多く、英語にも問題形式にも慣れてくるのでだいぶ勉強しやすくなります。USMLEは、同じ時期に受験をする仲間がいると心強いです。大学の定期試験や、特に6年生での受験となると国家試験やマッチングの準備をしている同級生を見て焦ることもあると思います。そんな時に、同じ目標に向かって励まし合える友達がいると、一緒に頑張れます。この夏から留学を目指そうと思っている方、友達を誘って、スタートしてください。

 

最後になりましたが、部屋に泊めさせてくれたり、いつも助けてくれた病院実習班のみんなには本当に感謝です!

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