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寺島慶太

ブログについて

小児がんの診療と研究における最新の話題を提供したいと思います。米国のNational Cancer Instituteが発行しているCancer Bulletinや学術雑誌などから、米国発の関連ニュースを提供したいと思います。日本ではなかなか情報が入らない、新薬の治験結果なども積極的に取り上げたいと思います。

寺島慶太

名古屋大学医学部を卒業し、6年間の国内研修後、ニューヨークで小児科レジデント研修を行う。その後ヒューストンで小児血液腫瘍および小児脳神経腫瘍フェローシップ研修を行う。現在、小児腫瘍専門医として、テキサス小児病院およびベイラー医科大学で、小児脳腫瘍の診療と研究に従事している。日本で小児脳腫瘍の包括的診療研究プログラムを立ちあげるのが目標。

Passport for Careというウェブシステムです。
http://www.txch.org/passportforcare/

Passport for Careは、情報が保全されたサーバーに、各小児がんサバイバーのがん治療暦のサマリーを登録保存し、クラウドシステムが、各サバイバーの診療情報と治療終了後経過期間を元に、個別にテーラーメイドされ、かつタイムリーな、フォローアップ・モニタリングスケジュールと、膨大なCOG long-term follow-upガイドラインから抜粋された関連情報を作成します。各サバイバーのフォローアップを担当する医師(ナース)は、インターネットに接続されたPC1台あればどこでも、作成されたプロファイル、スケジュール、ガイドラインの抜粋を、得ることができます。トップページには、最新のガイドラインアップデート情報なども載っており、定期的に長期フォローアップ患者を診療する医師には、継続教育も間接的に行えます。

今後、サバイバー自身がフォローアップガイドラインなどの情報に手軽にアクセスしたり、サバイバーに必要となるかもしれない地域の各種リソースの情報を得たり、さらには自分が経験した小児がんについて、発信したりコミュニティを作ったりする機能が追加される予定です。Texas Children’sを含む、複数のパイロット施設では実際にβテストとして既に使用されており、近いうちに200以上ある全COG施設での使用が予定されています。さらにはこのシステムに関して、これから臨床研究が行われ、このシステムの利用がサバイバーのQOLに与える影響について評価されることになっています。

このシステムは、治療が進行中の患者の電子カルテとは、切り離して考えられており、あくまで長期フォローアップおよびサバイバーシップの個別化された指針を示すためのツールです。

このシステムについてのJournal of oncology Practiceの記事が以下のリンクから読めます。
http://jop.ascopubs.org/content/5/3/110.full
(続く)

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