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熊倉純子

ブログについて

NICU(新生児集中治療室)で、毎日多くの事を学び、よい仲間に囲まれながら楽しく働いております。そんな中で、日々経験したことや、気がついたことについてお伝えできたらと思います。

熊倉純子

東京都出身。高校時代に1年間アメリカへ交換留学。日本赤十字看護大学卒業後、慶應義塾学病院で6年半ほど小児科新生児領域で看護師として勤務。看護師のキャリアを考える中、 アメリカの医療看護事情に興味を持つ。RN (Registered Nurse) ライセンス取得後、アメリカへ看護留学し、 OPT(オプショナルプラクティカルトレーニング)としてフロリダ片田舎の総合病院小児科にて1年間勤務。一旦日本に帰国し、日本看護協会に1年間勤務するも、再び渡米、アインスタインメディカルセンターNICUへ2年半勤務後、現在のペンシルバニア大学病院NICU勤務にいたる。

”初めまして。
私は今日本に住んでいて、正看護師をしています。これまで脳神経外科、神経内科、呼吸器科で働き、今は消化器内科の病院に勤務しています。
私の夫はアメリカ人で、今は日本に住んでいますが、いずれアメリカに戻って生活をするつもりでいます。看護の仕事が好きなので、アメリカでも看護師免許を取得して働きたいと思っています。そして少しづつ英語とNCLEXの勉強を続けています。英語の勉強だけでも大変な上に、医学英語の難しさには頭を抱えています。熊倉さんはどのように勉強なさったのか、参考までに教えていただければと思います。よろしくお願いします。(投稿者:ファジオ恵里さん)”

ファジオさん、コメントありがとうございます。
医学英語をどのように勉強したかということについてお答えしたいと思います。私の場合、CGFNSとNCLEXの勉強には、まず最初に目次が単元ごとに分かれている問題集と参考書を使いました。使用した辞書はステッドマン医学大辞典の電子辞書版です。最初の頃は問題文の医学英語1つずつ辞書をひきながら問題を解き、解説文を読みおわるまで一問一時間のペースでした。新しく出会った医学英語は全て単語帳(無地のアドレス帳を活用)に出会った医学英語順にひたすら書き込んでいき、2度目に同じ単語にであった際にまだ意味を覚えていない場合には、辞書を引くのではなく、自分の単語帳で確認するようにしました。単元ごとに勉強を進めていくことで、同じ単元(領域)内で頻出の単語に自然と慣れていくことができました。そして、医学単語の直訳がわからなくても頭で単語の意味をなんとなくイメージできるようになってきました。例えば、Cardio-で始まるのは心臓に関する単語、-itisで終わる単語は何かの炎症を意味するのだというようにです。このような医学英語の法則のようなものを解説しているものを一度読んで頭に入れておくと、単語の構造がパズルのように理解できるようになり、意味をguessできるようになってきます。

蛇足ですが、試験勉強という意味では読んで意味が分かれば良く、漢字で訳や意味を書けなくても、スペリングを正しく書けなくても発音が正しくできなくてもなんとかなってしまうということがあります。(実際にはそれではよくないとは分かっておりますが。)さらに、医学英語の果てしなさに途方に暮れていたときに、聞いてとても励まされた言葉に「アメリカ人の看護学生でさえ、医学英語は日常で使う単語ではなく看護の勉強を始めてから知る単語であるという意味ではスタートラインは一緒である。」というものがありました。アメリカ人でさえ、看護学生は同じように苦戦しているわけです。日本語でも、床ずれ=褥瘡のように、日常で使う単語と医療現場で使う単語は同じ意味でも異なるようにです。

このように医学英語に少しずつ慣れながら電話帳のように分厚い単元ごとの問題集を2度繰り返し解き、解説もくまなく読みました。その後、新しい問題集に手を付け、その問題集も同じものを繰り返し2−3回繰り返し解いたように覚えています。その他に、付属のCD-ROM などの問題も解きました。

参考までに当時私が使用した教科書と問題集は下記です。
* NCLEX-RN® Questions & Answers Made Incredibly Easy! (Incredibly Easy! Series®) Lippincott
* NCLEX-RN Made Ridiculously Simple (Rapid Learning and Retention Through the Medmaster)
* NCLEX-RN 250 New-Format Questions: Preparing for the Revised NCLEX-RN
* Saunders Q & A Review for the NCLEX-RN Examination by RN, Linda Anne Silvestri PhD
* Official Study Guide for the CGFNS Qualifying Examination

NCLEXの勉強そのものからははなれますが、勉強中に途方もない思いに陥った時には、ポジティブ思考の自己啓発本を読んだりすることで意識的にポジティブ思考でいられるようにしました。

10件のコメント

  1. はじめまして!
    現在アメリカのシアトルで語学学校に通いながら、看護師免許の取得と、その先の大学院のNPプログラムへの出願を夢見ている者です。看護師免許がないと出願ができないので、留学して、英語の勉強と一緒にNCLEXの勉強もしています。実は先週末に初めてのNCLEXを受けたのですが、Quick Resultで不合格の判定が出てしまいました。これで今年の出願は間に合わなくなってしまうので落胆している所です。日本で働いている頃から準備を始めて、一念発起して退職・渡米して勉強していますが、思うようにはいかないです。やりたいことは沢山あるのに、なかなか現実が付いていかずもどかしさを感じてしまいます。
    全部日本語だったら!と思うことが多いですが、自分で選んだ道なので、また勉強を始めようと思います。気持ちが沈んだところに、この記事に出会えて嬉しかったです♪
    また次の投稿を楽しみにしています!

    • NCLEX受験おつかれさまでした。私の場合はNPへの夢は持っているものの、日々のRNとしての仕事でも学ぶべき事が多くなかなか行動を起こせずにいるので、のりこさんのコメントに励まされた気持ちです。自分を信じて夢を追い続け努力すれば、結果はついてくるものだと思います。是非頑張ってください!!応援しています。

  2. はじめまして、さやかと申します。アメリカ人の夫と日本からボストンに移ってきてから3年、そして来月からオレゴン州ポートランドに引っ越す予定です。日本では7年間正看護師をしていました。こっちでも看護師の資格を取ろうと思い、TOEFLの勉強から初めていたのですが、勉強は思うように進まず、途方に暮れています。周りからは、マサチューセッツ州よりオレゴン州の方が、免許取得しやすいんじゃないかと言われますが、そのような事はあるのでしょうか?今はCNAの免許は持っているので、引っ越してからオレゴンでまずはCNAとして働きながら、RNに向けて勉強したいと思っています。
    純子さんは、がんばって自分の夢をかなえられて、すごいなぁと思います!これからも投稿楽しみにしています!

    • さやかさん、コメントありがとうございます。

      NCLEXの合格ラインが州ごとに違うという噂を私も何度か耳にした事があります。実際はどうなのかと自分でも調べたことがありますが、そのような事実は見当たりませんでした。アメリカのRN免許は州ごとに登録管理されてはいますが、NCLEXそのものは日本の国家試験にあたるものと理解してよいと思います。National Council of State Boards of Nursing (NCSBN) というところがNCLEXの試験等を管理しています。サイト内にNCLEXに関する沢山の情報があります。たとえば、NCSBNのサイト内にある https://www.ncsbn.org/13_NCLEXExamStats_Vol57_final.pdf の17頁をみると、州ごとのNCLEX合格率がでています。データとしては興味深いですが、実際の試験は絶対評価で合否が決まるので、州ごとのNCLEX合格率を気にする必要はないと思います。このサイトにはNCLEXの傾向等についても細かく分析したデータが掲載されているので一度読んでみると参考になると思います。

      CNA として働かれる予定ということですが、RNとしての後の就職にはとても有利だと思います。アメリカ人でも新卒など経験のないRNは就職が容易ではない現状がありますが、CNAとして働いていた経歴を買われ、後のRNの就職に有利となったというケースをいくつか見たことがあります。是非がんばってください!

      • 1年前に返事をしていないなんて私としたことが、、、すみません。
        お返事有難うございます!しかもこの間もまた質問させてもらっています。今はシアトルでCNAとして働きながらトーフルの学校に通っています。トーフルの壁はなかなか高いですね。でも諦めずに頑張ります!

  3. はじめまして!ブログを拝見させて頂きました。
    海外に興味を持ってから夢を実現させてる熊倉さん凄い尊敬してます。
    私は看護専門学校生で今年卒業予定です。
    30代になってもっと人の役に立てる仕事をしたいと看護師の道を選びました。
    経験を積んでいつかは国際看護師になり救命救急や被災地などに行って役に立ちたい!と思っていましたが去年出会いがあり結婚し今年の春からアメリカのカリフォルニアに永住する事になりました。
    それでも看護師になって働きたい夢を追いたいと思ってます。
    語学がまったくなのでまずは語学学校に通いその後RNの試験を受けようと思っています。
    しかし、ブログを拝見させて頂いたり留学の斡旋会社やネットで情報などを集める中、臨床経験を持たれてる方が多く、臨床経験の無い場合は就職が難しいと感じました。
    アメリカに渡り語学をある程度修得した後、やはり准看護師に当たるLPN・LVNの学校に行ったり大学に編入して実習を受けて就職活動する方がよいのでしょうか。
    実際アメリカに渡り苦労され現在医療現場に立たれてる熊倉さんからアドバイス頂けると幸いです。
    宜しくお願いします。

    • コメントありがとうございます。(回答編3)として回答させていただきました。よろしくお願い致します。

  4. 丁寧にアドバイスいただきありがとうございます。参考にして勉強頑張ってみます!
    道は長いと思うけれど、やはりアメリカに行ってもナースとして働くためには、コツコツやるしかないですね。

  5. はじめまして。お聞きしたいことがあり書かせていただきました。
    看護師の国家試験が終わり、早速NCLEX-RNの勉強を始めようと考えています。そこでSaundersの参考書の購入を考えているのですが、日本には2013年印刷のものしか今のところ見つかりません。最新版と内容に違いはあまりないのでしょうか?もし何かご存知であれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。

    • えまさま、コメントありがとうございます。えまさんの探しているSandersの参考書は ”Saunders Comprehensive Review for the NCLEX-RN® Examination, 6th Edition (ISBN: 978-1-4557-2755-1)” http://www.us.elsevierhealth.com/review-nclex/saunders-comprehensive-review-for-the-nclex-rni-examination-paperback/9781455727551/ という解釈で回答いたします。現時点では出版社のwebsiteで確認しても2013年に出版された第6版が最新のようです。NCLEXの試験は3年ごとに見直しが行われるため、おそらくそれに合わせて上記参考書も改訂がなされるのではないかと推測されます。よって、今年後半に改訂版が出版される可能性が高いと思いますが、試験範囲が変わるということはまずありえないと思いますので 6th Editionを使用してもまったく問題ないと思います。心配であればNCLEXの受験前に https://www.ncsbn.org/nclex.htm で最新のNCLEX試験要項を確認内容を確認すればよいと思います。

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