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荒木淳子

ブログについて

Dance/Movement Therapyは、心理療法の中でもまだまだマイナーなので、少しでも魅力をお伝えできればと思います。

荒木淳子

福島県出身。大学院卒業後、就職活動に苦戦するも、無事にダンスセラピストとして就職。現在は、メリーランド州とワシントンDCのカウンセラー資格を有し、子ども・成人・家族を対象に、心理療法・カウンセリング・ダンスセラピーを提供。

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2011年11月、ロサンゼルスのNPO, Kokoro Wellness Networkの、メンタルヘルスボランティア派遣プロジェクトに参加して、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市と気仙沼市を訪れました。

9月いっぱいで、避難所から仮設住宅への引っ越しが完了していたので、仮設住宅に併設されている集会所を訪れ、日本プライマリケア連合学会より派遣されている医師や看護師、臨床心理士や、他のボランティア団体と協同して、おちゃっこ・健康相談 (傾聴活動)や子どもの遊び場活動を行いました。

派遣前には、Dance/Movement Therapistとして役に立ちたいっ!と理想燃えていたのですが、実際は、思いの外、理想と現実のギャップがありました。
また、短期間(2週間)に複数の避難所を訪問したため、文字通り、一期一会ということも、難しく感じました。
今回は、比較的年配の方にご好評いただいた活動をご紹介します。

出来ることに制限があったので、皆さんのempowermentを大きな目標としました。
ここで言うempowermentは、ご本人の持っている要素やスキル(Resource: 自信やユーモア、積極性、想像力、柔軟性 等)に気付き、高めることで、難しい状況に対応する力を伸ばすことを指します。
目標を整理して、

  1. 身体を動かす機会を提供する(運動不足の解消:傾聴活動で汲み取ったニーズ)
  2. 自分自身に関するポジティブな経験を提供する(個人のempowerment)
  3. 人とのつながりを提供する (コミュニティのempowerment)

の3つを念頭に、スカーフダンスを行いました。

スカーフ(写真参照)は、柔らかく、操作が簡単なので、幅広い運動レベルに対応することが出来ます。
カラフルであることも、感情やイメージを促す助けになります。
また、頭や腰に巻いたり、かぶったりといった、衣装としての使い方も出来ます。
いきなり”ダンス”と言われると、身構えてしまう方もいらっしゃいますが、小道具があることで、身体を使った表現への抵抗が和らぐ場合もあります。
コントロールや自己表現は、empowermentのプロセスの中でも大切なことです。

        

懐メロを使ったダンスは、始めこそ、皆さん様子を伺って、小さな動きが多かったものの、段々と大きな動きや、お互いを真似し合うなどの変化が生まれ、笑顔も見られました。
まさに、こころと身体を開放するダンスでした。
「楽しかった」「皆で何かするっていいね」「またやりたい」等、肯定的な感想が多く聞かれて、とても勇気づけられました。

女性が多く参加していたのも、好評だった一因かもしれません。
この他にも、マニキュアがとても好評で、「気分が明るくなった」といった声が聞かれました。
自分を肯定することは、大きな力だと思います。

2件のコメント

  1. 荒木先生へ
    ダンスセラピーを初めて知りました。美容師の友人がボランティアで宮城、福島被災地のお年寄りの方々へ出張美容室をしています。「気持ちが明るくなった。」「外に出る機会が出来た」と喜ばれているそうです。ダンスセラピーは毎日、みんなで出来ることのようなので、とても喜ばれたのではと思います。
    子供たちのカラフルなスカーフセラピーについて、また詳しく寄稿してください。楽しみしています。

    • 短期間ではありましたが、とても好意的な反応をいただき、ダンスセラピーのパワーを実感する活動となりました。震災後、特にご高齢の方々の、運動不足や鬱が問題になっているそうなので、引き続き、ダンスセラピーが貢献できることを考えていきたいです。
      普段は、6歳から18歳の子どもたちと関わっているので、今後、そちらの活動もご紹介できればと思っています。

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