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妊娠中のインフルエンザについて 2014/02/07

妊娠中です。かかりつけの産婦人科の先生から、インフルエンザの予防接種を勧められたのですが、打った方がよいでしょうか?お腹の子に影響が出ないか心配です。
妊娠中の予防接種についてお答えいたします。

妊娠中にインフルエンザの予防接種を受けるメリットは?

妊娠中は免疫も弱りやすく, 肺や心臓への負担も増えるため、風邪やインフルエンザにかかるとなかなか治らないだけでなく、肺炎になりやすいなど症状が重傷化しやすいのです。2011年のH1N1の流行のときは、全米で30人近い妊婦さんがインフルエンザで亡くなり、100人以上が集中治療室に入院しました。またインフルエンザにかかると過度の脱水などから切迫早産などの産科合併症を起こしやすくなります。インフルエンザ予防接種は、仮にインフルエンザにかかったとしても症状を軽減する事がわかっています。もともと喘息などの呼吸器疾患を持っている妊婦さんは、特に予防接種を受ける事をお勧めします。


また、妊娠中にお母さんがインフルエンザの予防接種を受けると、おなかの赤ちゃんは胎盤経由でお母さんから受動免疫としてインフルエンザに対する抗体をもらう事ができます。出生後、数ヶ月間はお母さんからもらった抗体によって、赤ちゃんがインフルエンザに罹りにくくなる、もしくは罹っても症状が軽くてすむ事がわかっています。

妊娠初期にインフルエンザの予防接種を受けると流産の原因になりますか?

大規模な調査、研究によれば、むしろインフルエンザの予防接種をした人の方が流産する可能性が低い事がわかっています。赤ちゃんに異常を起こるかどうかについても研究がされていますが、今のところインフルエンザ予防接種が赤ちゃんの臓器や脳に異常を起こすという科学的根拠は見当たりません。その一方で、高熱(インフルエンザに限らず他の疾患が原因であっても)は胎児の脳や脊髄の発達に影響を及ぼす事が確認されています。故に、予防接種を受けることによって、インフルエンザの症状である高熱や脱水などの症状を軽減し、赤ちゃんへの影響を最低限に押さえる事ができます。

インフルエンザ予防接種によって、子供が将来自閉症などになる危険性は?

アメリカではしばらく前まで予防接種の保存材として水銀をベースとした保存材Thimerosalが使われていました。Thimerosalはインフルエンザ予防接種のみならず、様々な予防接種に用いられていたため、頻回に予防接種を受ける子供たちの健康への影響が懸念されていました。しかし2001年以降、アメリカでは子供や妊婦を対象とする予防接種には(インフルエンザワクチンも含め)、このThimerosalは一切使われていません。またアメリカのCDC(Center of Disease Control and Prevention) が大規模かつ長期間に渡り行った調査研究や、また諸外国で行われた研究によると、Thimerosalと自閉症の因果関係は否定されています。

ところで、このThimerosalは一部の成人を対象としたインフルエンザワクチンには未だ保存材として使われています。一般の病院で妊婦さんを対象とした予防接種にはthimerosalは使われていませんが、アメリカでは薬局やスーパーなどで気軽にインフルエンザの予防接種が受ける事ができます。病院以外で予防接種を受けるときは、かならず妊娠している事を告げてから予防接種を受けるように気をつけましょう。

またアメリカでは、注射するタイプの予防接種の他に、鼻にスプレーするタイプの予防接種があります。鼻にスプレーするタイプのものは、生ワクチン、すなわち生きたウイルスの毒性を弱めたもので妊婦さんには向きません。必ず、妊娠している事を告げ、注射タイプの不活化ワクチン(ウイルスを殺して免疫をつけるのに必要な成分を取り出してワクチンにしたもの)による予防接種を受けてください。

アメリカCDCのThimerosalに関するページ
http://www.cdc.gov/vaccinesafety/Concerns/Thimerosal/thimerosal_faqs.html


アメリカは一日に5000人以上も移民してくる国です。様々な国からいろんな人たちとともに、いろいろな病気も入ってきます。インフルエンザ予防接種やその他の予防接種と自閉症の関係は否定されているにもかかわらず、この5年ほどで予防接種を受けない、あるいは子供に受けさせない人が増えています。しかしその一方で自閉症の診断は増え続けています。またそれと同時に、本来ならば予防接種で予防できるはずの病気で亡くなる子供が増えていると言う事実も忘れるべきではありません。また別の機会に書こうと思いますが、カリフォルニアでは百日咳で亡くなる子供たちが増えています。まさに、この典型的な例だと言えます。自閉症の原因が未だ解明されない中、親としては少しでも疑わしいものは避けたいところですが、現時点で自閉症と予防接種の関係は否定されていると言うのが結論です。




今井 あゆみ

(注)これらの情報は回答時点のものであり、随時変更される可能性があります。

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