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帯状疱疹ワクチン 2013/12/26

現在64歳です。帯状疱疹ワクチンを受けたいと思っています。日本と米国ではワクチンの種類が違う事をこちらの記事で知りました。現在はアメリカ在住ですが、頻繁に日本へ行くので、ワクチンを日本か米国かどちらで受けるか迷っています。子供時代に「水ボウソウ」に罹ったか否かの記憶がありません。どちらのワクチンを受けるのが最適でしようか。
ご質問ありがとうございます。結論から申し上げると、どちらで受けるのがよいか、難しいところです。

まず、帯状疱疹ワクチンについての基本的な情報をおさらいします。米国で使用されているZostavaxは、弱毒化生ワクチンと呼ばれ、非常に弱くして感染性をほとんどなくした、生きた水ぼうそう(水痘)ウイルス(これが帯状疱疹を起こします)を使用しています。米国で使われる水痘ワクチンであるVarivaxと、基本的に内容物は同じです。ZostavaxとVarivaxの違いは、その”濃さ”です。ワクチンの”濃さ”は力価と呼ばれますが、帯状疱疹ワクチンの方が10倍以上”濃い”のです。”濃い”ワクチンの方が、帯状疱疹の予防に効果的だと分かっているため、このように区別しています。したがって、アメリカでは帯状疱疹ワクチンのZostavaxと水痘ワクチンのVarivaxは、交換可能ではありません。すでに読んでいただいたかと思いますが、アメリカの帯状疱疹ワクチンに関してはこちらもご参照ください。

ワクチン情報集-帯状疱疹ワクチン
http://ameilog.com/vaccine-info-shingles

一方で、日本のワクチン状況ですが、現時点で米国の帯状疱疹ワクチンであるZostavaxは日本では承認されておりません。しかし、日本で使われている水痘ワクチンは、基本的にはZostavax、Varivaxと同様のワクチン株を用いています(実はこれ、岡株と呼ばれ、日本で開発されたものです)。したがって、日本と米国で、水痘ワクチンの種類は基本的に一緒です。さらに、日本の水痘ワクチンは、米国の水痘ワクチンであるVarivaxより10倍以上”濃く”、Zostavaxと同程度の力価を有していると報告されています。

まとめると、日米で使われている水痘及び帯状疱疹のワクチンは、基本的に内容物は一緒であり、違いはワクチンの”濃さ”(力価)です。そして、日本の水痘ワクチンは米国の帯状疱疹ワクチンであるZostavaxと同程度の”濃さ”があると報告されています。したがって、帯状疱疹の予防目的では、米国のZostavaxと、日本の水痘ワクチンは同様の効果を持つと期待されます。というわけで、効き目という意味では、どちらを受けてもいいと言えそうです。

米国で受けるデメリットは、その費用だと思います。お持ちの保険にもよりますが、もし帯状疱疹が保険でカバーされない場合、自己負担が200ドル程度かかります。Zostavaxは大手の薬局でも接種することができますが、安くても180ドル程度のようです。逆に、民間保険を持っていてZostavaxがカバーされる場合、米国で受けるデメリットは見当たりません。

逆に日本では、自費診療になってしまいますが、それでも値段はたいてい数千円だと思います。デメリットとしては、水痘ワクチンを帯状疱疹の予防目的で使うことに慣れているクリニックを探す手間でしょうか。水痘ワクチンは基本的には小児に使うワクチンなので、内科のクリニックでは普通保管していないと思います。事前に調べるか問い合わせるなどして、水痘ワクチンを持っていて、かつ帯状疱疹予防目的で接種してくれるクリニックを探す必要があります。

ちなみに帯状疱疹ワクチンは、水ぼうそうに以前かかったかどうかに関わらず、60歳以上の全ての人に推奨されます(GelatinやNeomycinにアナフィラキシーを起こしたことがある人、免疫不全の人、免疫抑制剤を使用中の人、妊娠中には使用できません)。また、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンと同時に接種することができるので、一度に済ませてしまいたい場合は一緒に接種するとよいでしょう。最後に、以前帯状疱疹にかかったことがあるとしても、再発を防ぐことができので、同様にワクチンを接種することが勧められます。


反田 篤志

(注)これらの情報は回答時点のものであり、随時変更される可能性があります。

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