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溶連菌感染症 2014/04/10

4歳の娘が発熱、喉の痛みがあったのですが、解熱剤だけで治療しました。その後に母親の私が発熱、病院へ行ったところ、溶連菌感染症と診断され、お薬を処方して頂きました。 症状からすると娘も溶連菌感染症だったと思われ、溶連菌はきっちりとお薬を飲んで治す必要があるとのことですが、すっかり元気なった後、どのように対応するべきでしょうか。 よろしくお願いします。
小さなお子さんが熱を出して、お母さまも感染されたとのこと。たいへんでしたね。さぞ心配だったと思います。結論から申し上げますと、今お子さまがお元気なら、ひとまずは心配ないでしょう。

まずいくつか確認したいことがあります。

1. お母さまはどのようにして溶連菌感染症と診断されましたか?

一般的に医療機関では喉の奥と綿棒でこすって、迅速検査を行います。これが陽性なら「溶連菌がそこにいる」ということになります。

ここがまずポイントで、「溶連菌がいる」イコール「溶連菌"感染症"」ではないのです。溶連菌は実は熱がない元気な方でも、ノドに潜んでいることがあります。そして何も害を及ぼさないことがあります。これを「保菌状態」といいます。

発熱があって、ちょっとノドが赤くみえたため、迅速検査を行ったところ、実は一般のウィルス性の風邪(抗生剤が効かない)が本当の正体なのに、たまたま迅速検査で陽性になったために(実際は溶連菌は悪さをしていないのに)、抗生剤が処方されていることがあります。いずれにせよ、ただのウィルス性の風邪でも、溶連菌でも、大多数がよくなってしまうので、実際はどっちだったのか、私たち医師ですら、はっきりしないこともあるのです。

こうした発熱+ノドが痛い患者をみた際に、溶連菌かどうか、抗生剤を処方するかどうかを決めるための "センタースコア" があります(注:このスコアは乳幼児には適用できません。4歳のお子さまには信頼性が低いです)。

<溶連菌センタースコア>
・咳嗽がない (+1)
・首の前のぐりぐり(リンパ節)が腫れて、押さえると痛い (+1)
・扁桃が腫れて、白い浸出物がついている (+1)
・年齢15歳以上 (+1)
・年齢45歳以上 (-1)

0−1点:溶連菌感染症の可能性は低い
2−3点:溶連菌迅速抗原検査を行って判断
4点:40%以上の可能性で溶連菌感染症と考えられるので、抗菌薬の投与を考慮する

もし、お母さまの症状の点数が、0-1点しかなかったのであれば、溶連菌は「保菌」であり、「感染」ではなかったかもしれません。その場合は、お母さまの症状は実は単なるウィルス性の風邪だったかもしれませんね。

しかし、センタースコアの症状がそろい、迅速検査が陽性なら、お母さまは本当に溶連菌「感染症」であった可能性が高いでしょう。

お母さまが以上の症状が乏しく、「検査をせずに」溶連菌感染と言われていたなら、そもそも、本当に溶連菌感染だったのかどうかを考える必要があります。

2. 今、お子さまが元気かどうか。

溶連菌感染症を治療するには、抗生剤処方が望ましいのですが、実は抗生剤がなくとも、自然治癒する場合もよくあります。

抗生剤を処方しなかった場合、「リウマチ熱」が心配!いうご家族にお会いすることがあります。このリウマチ熱とは、溶連菌感染への炎症反応が原因で、感染して2-3週後に発熱、関節痛、発疹を主症状として、さらに心臓に影響が出ることがある病気です。外来でも最近のご家族の中には、すでにインターネットで調べてきている方もいらっしゃいます。しかし、発展途上国やハワイでは未だにこのリウマチ熱に出会うことがあるのですが、日本や米国本土ではまれです。米国では、溶連菌感染にかかったのに治療を受けなかった小児でも、リウマチ熱を発症する確率は0.4〜3%に過ぎないという報告もあります。

以上、治療するかどうかは、主治医と相談するのがベストかと思いますが、今お子さまがお元気であれば(小児科医によって意見は別れるかもしれませんが)、私なら何も処方しないでしょう。しかし、お子さまが発熱を繰り返したり、他の溶連菌感染の症状(発疹や関節痛など)が出現した場合は、主治医と相談して方針を決めることをお勧め致します。以上、長文になりましたが、ご参考になれば幸いです。


桑原 功光

(注)これらの情報は回答時点のものであり、随時変更される可能性があります。

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