あめいろぐカンファレンス

ここは、米国医療における最新の話題や論争のある題材について、あめいろぐメンバーが議論を交わす場です。

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第6回
2020年09月22日
『あめいろぐ高齢者医療』出版記念 ~頭の体操?コペルニクス的転回?肝心なことは何…?~
モデレーター:反田 篤志
メンバー59読者0
コメンテーター: コメントを投稿
樋口 雅也
植村 健司
あめいろぐ書籍化シリーズ第4弾は『あめいろぐ高齢者医療』です.8月に丸善出版から発売されました.

刊行を記念して,著者の樋口雅也先生と植村健司先生をお招きし,日米の高齢者医療事情や米国のコロナ問題など,本音ベースで語っていただきました.樋口先生は家庭医療の専門にして,老年医学とホスピス・緩和ケアのスペシャリスト,かの有名なMGH(マサチューセッツ総合病院)で働いています.植村先生は老年医学発祥のマウントサイナイ医科大学で老年医学と緩和ケアを修め,同じく老年医学とホスピス・緩和ケアのスペシャリストとしてハワイ大学で活躍されています.
そんな最強のお二人を迎えた今回のカンファレンス.ぜひお気軽にコメントやメッセージをお寄せください.

こちらの『あめいろぐ高齢者医療』紹介ページもぜひ訪れてみてください(http://ameilog.com/c/book/).
担当編集部による制作秘話もイチ押しです
(https://www.maruzen-publishing.co.jp/info/n19937.html).
50植村 健司 2020年10月09日 21:38
確かに大変でした.僕も樋口先生も新しい職場での仕事が始まって,執筆時期が日常診療の忙しくなった時期に重なったというのもあるのですが,何よりも難しいと思ったのは,『あめいろぐ』のコンセプトは教科書じゃないという点です.ポイントやエッセンスだけを書くというのは結構難しくて,老年科も緩和ケアも日本にはあまり馴染みのない分野ですから,省略ができない.ファンダメンタル(基礎)から説明しないと,書けない.書くことと,書かないことの取捨選択すごく難しかった.
51樋口 雅也 2020年10月09日 21:39
同感ですね.老年科医は,「どういうことしているのか」「具体的にはこうやっています」「こう考えましょう」というHow toは書けるのですが,WhatやWhyの部分.「われわれが何をみて」「どう考えているのか」,それを伝えたくなるわけです.すると,基本的な考え方から,患者さんのコンテクスト(文脈)の理解の仕方まで説明しなければなりません.その言語化の作業が大変で,筆が止まってしまったのです.そこでスカイプで月1回,編集担当の程田さんらと対話を重ねたわけです.自分たちが書きたいことは何となくわかっているのだけど,どう伝えたらいいのか,今ひとつわからないし,クリアにならない.5Msでいうところの「Matters most(肝心なことは何か?)」です.それを編集のプロの方の俯瞰的な目線を交えて,執筆前に相談する機会を設けてもらったことはありがたかったし,あのスカイプ会議は「本当に大事な点は何か?」を紡ぎだす場でした.「あ,僕って今,5MsのMatters mostをされているんじゃないかな」というのを,逆の立場で経験できたことは貴重したね.患者さんもこういうことなんじゃないかなと.
52反田 篤志 2020年10月09日 21:40
そうか,自分を患者目線において,高齢者医療では,こういうことをされているのか…と感じたわけですね.誰だって「何がほしいんですか」とパッと聞いて,「これがほしい」とはなかなかいえませんよね.
53植村 健司 2020年10月09日 21:40
ジェリアトリクスって,考え方がファジーというか,本当にぼやっとしているんですよ.それが実際に書くことで,すごくクリアになりました.自分の中でも「ああ,こういうことだったんだ」という発見がたくさんあって,程田さんの編集作業とか,スカイプ会議で樋口先生や編集部の方と話したりしたことで,ジェリアトリクスのメッセージがクリスタルになりました.凝縮化されて,結晶化した感じです.今,医学生とかフェローを教えているのですが,自分の論旨がクリアになったので,教えやすくなりました.特に自分の書いた章のテーマは思い入れがあるので,研修医からそこのトピックを質問されたら,キタキタキターッみたいな感じで,ズバッと5分間でいえちゃう(笑).
54樋口 雅也 2020年10月09日 21:41
僕も同感です.曖昧にわかっているというのと,しっかり言語化できるのとではクリスタルの度合いが違いますよね.人に伝える,教える側になったときのメッセージのクリアさが全く違いますから,学生の方,レジデントの方,フェローの方,同僚の方と話していても,やっぱりポイントが伝わりやすくなりました.
55反田 篤志 2020年10月09日 21:41
研修医とか,若手の皆さんの勉強のみならず,内科の指導医の先生方にも本書をカチッと活用いただいて,指導にも使っていただけるとありがたいですね.
56反田 篤志 2020年10月09日 21:41
それでは、最後に,読者に向けて一言お願いします.
57樋口 雅也 2020年10月09日 21:42
この本では奇をてらってというのは全くなくて,本当にど真ん中の,当たり前のことを当たり前にしようという.ただ,「その当たり前をどういうふうにするのか」「当たり前にすると,どういうことになるのか」ということを述べてみました.こういうことを系統的に学ぶ機会なり,学べる本がないので,本書を手に取ることで,じつはもう皆さんの目の前で起きているかもしれない「すばらしい高齢者医療」の実践につなげてもらえるとうれしいです.
58植村 健司 2020年10月09日 21:42
日本は,医学の進んでいる分野がたくさんありますし,優秀なお医者さんたくさんいます.皆さん一生懸命に勉強されています.でもみんながみんなで同じ方向に進むと,見落としがあるときもあります.方向性のズレ,もしくは軌道修正の書としても活用いただけるとありがたいですね.道は一本ではありません.医療のアプローチもしかりです.別の道が,別の方向もあるのだということがわかれば,本当に患者さんが求めている,高齢者の皆さんが求めている医療ができると思います.
59反田 篤志 2020年10月09日 21:43
本日の話を通じても,本書を読んでも,日本の高齢社会の中で「高齢者医療のフレームワーク・ものの考え方」がとても重要になっていると実感しました.日本の医学教育,あるいは医師の人生の中で,高齢者医療は頭の体操というのか,もしかしたらそれまで学んできた事柄の否定の感覚となるかもしれませんが,「新たな考え方を入れていく」よい機会になるように思いました.樋口先生、植村先生、ありがとうございました。
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