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ブログについて

最適な医療とは何でしょうか?命が最も長らえる医療?コストがかからない医療?誰でも心おきなくかかれる医療?答えはよく分かりません。私の日米での体験や知識から、皆さんがそれを考えるためのちょっとした材料を提供できればと思います。ちなみにブログ内の意見は私個人のものであり、所属する団体や病院の意見を代表するものではありません。

反田 篤志

2007年東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修後、ニューヨークで内科研修、メイヨークリニックで予防医学フェローを修める。米国内科専門医、米国予防医学専門医、公衆衛生学修士。医療の質向上を専門とする。在米日本人の健康増進に寄与することを目的に、米国医療情報プラットフォーム『あめいろぐ』を共同設立。

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2017/09/01

出禁になる患者たち

(この記事は、2016年5月31日に若手医師と医学生のための情報サイトCadetto.jp http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/cadetto/ に掲載されたものです。Cadetto.jpをご覧になるには会員登録が必要です。)

アメリカの病院や医師には、救急医療を除き、応召義務がない。診療は、基本的には医師と患者の契約と考えられている。したがって、医師側が患者を診ない(契約を結ばない)こともできるし、患者を出入り禁止、すなわち“出禁”にすることだってできる。

例えば、外来を何度も無断キャンセルする患者。外来は予約制なので、無断キャンセルされると枠に空きが生じる。本当に受診したい他の患者が、その患者のせいで受診できなくもなる。多くの外来で、無断キャンセルを繰り返すと予約が取れなくなったり、悪質な場合は外来受診できなくなるといったポリシーがある。

さらに、意図的で悪質なクレームや攻撃的な発言を繰り返すなど、医療従事者とトラブルを起こす患者や、脅迫や窃盗、暴力行為など、医療機関内で犯罪行為に及ぶ患者。こうした患者は、時として一発で退場処分、 出禁になることもある。

出禁にもグレードがある。軽いものでは、ある特定の外来への予約や受診が禁じられる。重いものだと、病院システム全体での受診や受療を禁じられる。メイヨーでも極めてまれではあるが、こういった対応をせざるを得ない患者さんがいた。例えば、職員への脅迫や暴力行為を複数回繰り返した患者などだ。

メイヨーシステムは多くの地域中核病院やクリニックを持っているため、システム全体への受診禁止は患者にとって相当厳しい措置だ。したがって、そういった措置を適用する際は、患者の権利が不当に侵害されないように、プロトコールに沿った段階的な手続きを取り、弁護士と相談しながら慎重に物事を進める。

例えば、問題行動を起こす患者には、なぜそのような状況になるのか、こちらで改善できる部分はないかを検討し、改善案があれば実行する。それでも行動が改善されず、患者自身に問題がある場合は、口頭や文書での忠告があり、「次回も問題を起こせば××という措置を取る」と通達する。それでも問題が続く場合、最終通告がなされて、実際に“出禁”処置が取られる。各々のステップで法的に問題がないかは、病院の弁護士と確認する。

しかし、救急診療には応召義務があるため、出禁になった患者も救急室に来れば治療を受けられる。緊急であれば、人道的な観点から入院もできる。だから結局は、出禁にしたところで、症状が重くなってから医療にかかるだけだ。医療システム的には、効率が悪い気もする。より良い解決策は何かないものだろうか?

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