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ブログについて

最適な医療とは何でしょうか?命が最も長らえる医療?コストがかからない医療?誰でも心おきなくかかれる医療?答えはよく分かりません。私の日米での体験や知識から、皆さんがそれを考えるためのちょっとした材料を提供できればと思います。ちなみにブログ内の意見は私個人のものであり、所属する団体や病院の意見を代表するものではありません。

反田 篤志

2007年東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修後、ニューヨークで内科研修、メイヨークリニックで予防医学フェローを修める。米国内科専門医、米国予防医学専門医、公衆衛生学修士。医療の質向上を専門とする。在米日本人の健康増進に寄与することを目的に、米国医療情報プラットフォーム『あめいろぐ』を共同設立。

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2017/04/01

米国の“ハグレ医者”

(この記事は、2015年3月30日に若手医師と医学生のための情報サイトCadetto.jp http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/cadetto/ に掲載されたものです。Cadetto.jpをご覧になるには会員登録が必要です。)

米国の医師は働き方の自由度が高い。病院に勤める臨床医の勤務時間は日本より圧倒的に短いし、大学院に通いながら、もしくは家族を世話しながらパートタイムで働く人もたくさんいる。大金を払って苦労してメディカルスクールを出ながら、臨床に従事しない人も多い。私が専攻する予防医学の領域は特に、“王道”ではない人たちが集まっていて面白い。

友人の1人は、脳外科の研修医をしていたが、「自分には合わない」と感じて、ジョンズ・ホプキンス大学で予防医学の研修を受けた。今はConsumer Reportsという消費者保護の大手非営利団体で医療部門を担当している。予防医学で修士号を取得後に政治の世界に入り、メリーランド州議会議員になるために日々奔走する友人もいる。彼は大物になると、私は勝手に予想している。

NYにいる友人は、内科の研修を1年で切り上げ、予防医学を修めた。その後NY市の公衆衛生局に入り、たばこ政策担当官として、多忙な毎日を送っている。別の友人は、予防医学を修了するも、やはり臨床がやりたいと精神科で研修中だ。

自分の周りだけでもこうなのだから、予防医学の学会に行くと多様な職歴を持つ人々が集まっている。WHOの医官、製薬会社の執行役員、医療保険会社のディレクター、政府の行政官や公衆衛生官、臨床疫学の研究者、公衆衛生を専門とする大学教授、貧困対策に取り組むNPOの医療担当者、無保険者を診療するクリニックの医師などなど。他の学会ではなかなか見られない顔ぶれだ。

それもそのはず。従来の医療行為の枠組みの外から疾病を予防し、人々の健康を促進するのが、予防医学の目的だからだ。

もちろん臨床をずっと続ける人もいる。しかし、臨床の世界から出るのも戻るのも、かなり自由だ。組織に所属し続ける年数だけで昇進や役職が決まることもない(もちろん、長く勤めることで昇進に有利になることは十分あるけど)。

「医学部を卒業したのだから、医者をやるべきでしょう」という有形無形の圧力も米国ではあまり感じられない。メディカルスクールの学費を借金して払うのは本人ということが、大きく影響しているのだろう。

とはいえ、病院長や部長など、臨床業務に深く関わる分野のトップのほとんどは、常に現場で患者と向き合ってきた、同僚から尊敬されるバリバリの臨床医だ。医師の王道は医業。日本も米国もそこは変わらない。当たり前だけどね。

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