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ブログについて

最適な医療とは何でしょうか?命が最も長らえる医療?コストがかからない医療?誰でも心おきなくかかれる医療?答えはよく分かりません。私の日米での体験や知識から、皆さんがそれを考えるためのちょっとした材料を提供できればと思います。ちなみにブログ内の意見は私個人のものであり、所属する団体や病院の意見を代表するものではありません。

反田 篤志

2007年東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院で初期研修後、ニューヨークで内科研修、メイヨークリニックで予防医学フェローを修める。米国内科専門医、米国予防医学専門医、公衆衛生学修士。医療の質向上を専門とする。在米日本人の健康増進に寄与することを目的に、米国医療情報プラットフォーム『あめいろぐ』を共同設立。

反田 篤志のブログ
2014/07/20

オバマケア始まる 医療保険加入に補助 – 内側から見た米国医療14

(この記事は2014年1月号(vol100)「ロハス・メディカル」 およびロバスト・ヘルスhttp://robust-health.jp/ に掲載されたものです。)

オバマ大統領肝煎りの医療保険改革、通称「オバマケア」が動き出しました。今まで無保険だった多くの人が「手の届く値段で」医療保険に加入できるようになります。保険に加入したい人は、Marketplaceと呼ばれる保険市場で各保険会社が提供するプランを比べ、好みに合ったタイプの保険を選びます。収入に応じて補助が出るので、収入が低い人は保険料すべてを自己負担する必要はありません。このシステムを通じて加入した場合、保険料はいくらかかるのでしょうか?

40歳の夫婦と子ども2人の4人家族で見てみましょう。保険料は年齢と人数、喫煙の有無によって変わってきますので、ここでは誰も喫煙していないと仮定します。妻は専業主婦で、夫の年収は600万円とします。私の住むロチェスターで探すと、加入できる保険は10種類ほどあります。すべての保険はプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズとランク分けされていますが、シルバーランクのプランの値段は月に9万円ほどです。高いですね……。

しかし、政府補助の存在を忘れてはいけません。4人家族だと、年収950万円までは補助が出ます。かなり寛大な基準だと思います。年収600万円だと、月5万円の補助が出ます。差し引き月4万円の保険負担料です。そんなに悪くないのでは?と思ってしまいます。これが年収800万円とすると、月2万円の補助、したがって月7万円の負担になります。皆さんはどう感じるでしょうか?

一つの問題点は地域差です。例えば私がミネソタの州都であるセントポールに住んでいれば、数十種類の保険を月3万円ほどから選ぶことができ、同じシルバーランクの保険でも月5万円の値段から加入できます。これは保険会社同士の競争、地域の医療機関の数、医療機関の設定している医療行為の一般的な値段などに左右されます。医療機関や住んでいる人の少ない地域には、保険会社もうまみが少ないので参入してきません。したがって住んでいる場所によって地域差が生じています。ただ、保険料が安いとその分補助金も減るので、収入の低い人が実際に支払う保険料はあまり変わりません。

他にも、今まで保険に加入していた人が保険プランを変えなければいけない場合もあり、混乱を生んでいます。また安い保険だと、受診できる医療機関がかなり限定されてしまいます。そのためにかかりつけ医を変えなくてはいけない人にとっては、喜ばしくありません。

一方、オバマケアが施行されるまでは、4人家族で保険に加入しようとすると、どんなに安くても月10万円は下らず、良い保険に入ろうとすると月20万円することもざらでした。私は無保険の患者さんを診療していることもあり、そのような方たちが保険に入れるようになる制度改革には賛成の立場です。オバマケアには色々と問題点もありますが、それを強い信念で実現しようとしています。この制度で保険に入れた人たちを診るのが、今から楽しみです。

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