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UCLAならではの華やかさや、カウンティ病院の抱える影をご紹介できればと思います。

鈴木 ありさ

Interventional Radiologist です。
トレーニング期間を含め、10年以上勤めたBostonのBWHと退職し、LAに移動してきました。

鈴木 ありさのブログ
2013/04/17

インターンとフェロー

津田先生が、すばらしい記事を投稿された。一年目の医師として学ばれた経験を語られている。なかでも「あの一年間は、自分の医師のキャリアの中でも最も印象深い一年であったと思う。」という一文に非常に共感を覚えた。

私にとっても、それは全く同じだった。今思うと、実に多くのことを学ばせてもらったものだと思う。

インターンイヤーと、フェローシップイヤーは多少似通っているように思える。どちらも、一度(一年)で十分だが、その一年間はまるで地獄のようだからだ。特に当直が必須となる手技系のフェローシップは体力的にも精神的にもぼろ雑巾のようになる。この時期になると、7月から始まったフェローシップも折り返しをすぎ、あるものは就職先を確保し、あるものは忙しさのあまり彼女に逃げられ、あるものは体調不良を起こしたりする。多くのプログラムがこの時期にフェローと個別面会をし、精神状態や肉体状態のチェックをしたり、レストランに連れて行ったりして息抜きをさせるのも納得だ。これが春先になると、いよいよゴールが見えてくるので、一時はうつうつとしていたフェローも生き生きとしてくる。そして、自信を持った夏には卒業だ。

 

アメリカでの一年目はいわゆるむかしからのインターンである。内科のみをカバーするインターン、外科のみをカバーするインターン、内科、外科の両方を回るカテゴラルの三種類に分けられるようだ。二年目以降に放射線科のレジデンシーに行くと決まっていても、上記の3つのうちのどれかを済まさなければならない。一番楽なのは内科インターン、手技ものが好きな者は多少外科を回れるカテゴラル、学生のうちから自分の将来はインターベンショナルである、と固く心に誓ったもの好きは外科のインターンと言った具合である。

アメリカのインターンは、病院と病棟の奴隷である。レジデントの使いっ走りであり、メモ係りであり、オーダーを打ち込む御用聞きであり、患者さんとナースの板ばさみになり、他科の上級生レジデントと自分のレジデントの板ばさみに会っても誰も後方支援をしてくれないといった、それはそれはひどい立場である。でも、みな、歯を食いしばり、ポケベルを蹴飛ばしてやりたいと思いながらも、電池切れがないように気をくばり、眠気覚ましでいやいや飲んでいたはずコーヒーなのに、一年たつ頃には立派なコーヒー中毒となるような人生をおくる。

一年限りだから、これができるのだ。毎日、毎月をカウントダウンしながら、日々をやってゆけるのは、これが一年限りだからである。

5件のコメント

  1. 浅井 章博 より:

    最近、将来のフェローのリクルートの席の上で ”もう一度フェローをやるとしたら、またこのプログラムに来ますか”という、定番の質問をされた。とっさに”二度とフェロー1年目はやりたくありません”と答えてしまった。頭で考える前に口がかってに喋っていた、、、。
    まあ、それぐらいの覚悟できてくれないといかんので、大目に見て欲しいです。

    • 鈴木 ありさ より:

      浅井先生、

      正しい答えは、「フェローを繰り返したくはないが、もう一度一からやり直すとしても、このプログラムを選ぶでしょう」でしょうか?

      私は忙しすぎて、コーヒーを飲み過ぎまして、不整脈を起こしました。点滴をつなぎながらモーニングラウンドに出ていました。この辺は日本とアメリカと対して変わりないなーと思ったことを覚えています。

  2. 通りすがり より:

    唐突な質問お許しください。
    米国では放射線科専門医の試験でdiagnostic radiologyであっても必ず放射線物理の問題をパスする必要があるというのは本当でしょうか?
    またその問題のレベルというのはどれくらいでしょうか?

    駄文失礼しました。

    • 鈴木 ありさ より:

      とおりすがり先生、

      本当でした、が正解です。
      放射線物理筆記、臨床放射線診断筆記、口頭試問の三本立からなる旧試験は、2013年6月の口頭試問にて終了しました。来年度より、レジデンシー三年目終了の6月に放射線物理と診断学を混ぜた筆記試験(PC)を受け、レジデンシー終了後15ヶ月後に専攻した専門分野三つ(例:腹部、胸部、超音波)の筆記試験(PC)を受けることになります。

      在りし日の放射線物理試験は、放射線物理士、放射線科治療のレジデント、放射線科診断の3者合同試験でした。放射線物理士レベルの物理試験ですから、放射線物理が特に得意であったレジデント以外は非常に苦労していました。私はお恥ずかしながら落ちたことがあります。

      新方式では、臨床と混ぜあわせた質問方式になり、例えば、ノイズの多いCTを見せられて、問題は何か、どのパラメーターをいじればノイズは減るのか、とか、あるいはやたらきれいな小児頭部CTの画像から、radiationを減らすにはどうすればいいのか、と言った質問内容を10個ぐらいの答えから選ぶ方式になり、もっと現実的になりました。

      ご参考になりましたでしょうか?

  3. 通りすがり より:

    鈴木先生

    丁寧にどうもありがとうございます!大変参考になりました。
    今年で放射線物理学の試験は中止という事なのでタイムリーな?話題だったんですね。
    確かにdiagnostic radiologyなら放射線物理士並みの知識はいらないと思います。

    またアメリカの医療事情、特に放射線科のレポよろしくお願いします!

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